集合住宅・アパートでもエコキュートは設置できる?条件・注意点・おすすめタイプ

公開日:2025/12/15
集合住宅・アパートでもエコキュートは設置

エコキュートは電気代を大幅に節約できる人気の給湯設備ですが、一戸建てに比べて集合住宅やアパートでは設置条件が限られます。しかし近年は省スペース型や低騒音モデルが増え、マンションでも設置可能なケースが広がっています。本記事では集合住宅でエコキュートを導入できる条件や注意点、相性のよいおすすめタイプをくわしく解説します。

集合住宅にエコキュートを設置できる条件

集合住宅でエコキュートを導入できるかどうかは建物構造や管理規約、設置スペースの有無など複数の条件によって左右されます。まずもっとも大切なのは共用部分か専有部分かを明確にすることです。エコキュートはヒートポンプユニットと貯湯タンクを設置する必要があるため、敷地やベランダが専有部分でなければ基本的に設置はできません。さらに、建物の電力契約がオール電化対応になっているかどうかも重要なポイントになります。電力容量が不足している場合はエコキュートの運転に必要な電源を確保できず、追加工事や容量変更が求められる場合があります。

設置スペースの確保

エコキュートはタンク容量によってサイズが異なりますが、一般的には高さ約180cm前後、奥行き70cmほどのスペースが必要です。アパートのベランダや共用廊下に設置を希望しても、避難経路の確保や非常口の妨害があると許可が下りません。また床の耐荷重も重要で、満水状態の貯湯タンクは300kgを超えることもあるため、建物の構造計算を基に設置可能か判断する必要があります。

管理規約やオーナーの許可

マンションやアパートでの一番のハードルが管理規約です。電気温水器やエコキュートの設置を明確に禁止しているケースもあるため、まずは規約の確認が必須です。賃貸の場合はオーナーの許可も不可欠であり、騒音や外観を懸念して許可が下りないこともあります。事前説明の際には「低騒音モデルであること」「外観を損なわない設置方法が可能であること」などを示すと許可が得られやすくなります。

集合住宅に設置する際の注意点

集合住宅での設置は戸建て以上に細かな配慮が必要です。とくに騒音・振動・排気の問題は近隣住民とのトラブルにつながるため、工事前に必ず確認しておきたい点です。

騒音対策

ヒートポンプは運転時に低周波音を発するため、ベランダや廊下に設置すると隣戸や上下階に響く可能性があります。近年のモデルは静音化が進んでいますが、それでも設置向きの場所に一定の配慮が必要です。壁面や床に防振パッドを設置したり、運転音の方向が他住戸を向かないように配置したりすることが推奨されます。

また、夜間運転の音に敏感な住民がいる場合は、昼間に湧き上げを設定するなどの運用改善も可能です。

排気方向と熱風の影響

ヒートポンプは外気を吸い込んで熱を取り出し、暖かい排気を放出します。狭いベランダで隣家に向けて排気すると、洗濯物が乾きにくくなる、熱風が当たって不快に感じるなどのトラブルが生じる可能性があります。

そのため、排気の向きや風の流れを考慮し、可能であれば風が抜ける位置に設置することが望まれます。

工事ルートと既存配管の干渉

集合住宅では既存の配管ルートに沿って工事を行う必要があります。給湯配管・循環配管・電源配線などが隠蔽されているマンションの場合、追加の壁工事が必要になることもあり、費用が増えるケースもあります。

また、貯湯タンクの搬入経路がベランダまで確保できない場合、そもそも設置が不可能なこともあります。階段や廊下の幅、エレベーターの積載サイズなども事前に確認しておくことが大切です。

火災対策・耐荷重の確認

知られにくい注意点として、貯湯タンクの重さによる耐荷重問題があります。既存のベランダや構造床は荷重に限界があり、満水300kg超のタンク設置が想定されていない場合があります。この点を調査せずに設置してしまうと建物の損傷リスクにつながります。

また、電気配線の新設には漏電ブレーカーや耐熱配線などの安全対策も必要です。

集合住宅で選ぶべきエコキュートのおすすめタイプ

集合住宅向けエコキュートには、限られた環境でも設置しやすいように工夫された専用モデルがあります。建物条件に合ったタイプを選ぶことで、トラブルなく効率的に運用できます。

スリムタイプ

設置スペースが狭い場合にはスリムタイプの貯湯タンクが適しています。マンションの細長いベランダやアパートの壁際など、通常タイプでは置けない場所にも設置できるため、集合住宅でとくに人気があります。ただしタンク容量が小さくなる傾向があるため、家族人数に合わせた容量選びが必要です。

低騒音モデル

集合住宅では騒音がトラブルになりやすいため、静音性に優れたモデルは大きなメリットです。ヒートポンプの運転音が40dB前後まで抑えられた製品もあり、隣室や上下階に配慮が必要な環境に向いています。夜間運転時の音を気にする必要が減り、管理組合の許可も得やすい傾向があります。

小容量タンク・マンション向け専用設計

メーカーによってはマンション専用のエコキュートが用意されています。これは耐荷重や配管位置、設置スペースを考慮した構造になっており、一般戸建て向けよりコンパクトで扱いやすいのが特徴です。とくにひとり暮らし・二人暮らしの世帯が多い集合住宅では小容量タンクのほうが効率よく、湯切れリスクも少なくなります。

寒冷地向けタイプ

アパートでも地域によっては凍結対策が必須となります。寒冷地仕様モデルには凍結保護ヒーターや耐寒構造が備わっているため、冬季でも安定した給湯が可能です。

集合住宅でエコキュートを導入する際のおすすめ手順

まず管理規約を確認し、オーナーまたは管理組合へ事前相談を行うのが第一歩です。その後、設置スペースの採寸、電源や配管状況の調査、耐荷重の確認などを専門業者に依頼します。

また、複数社で見積もりを比較し、静音性・設置実績・アフターサービスなどを総合的に判断することが成功のポイントです。さらに住民への説明や工事日の掲示など、近隣配慮も重要となります。

まとめ

集合住宅やアパートでも、条件が整っていればエコキュートの設置は十分可能です。専有部分に十分なスペースがあるか、管理規約やオーナーの許可が得られるか、騒音や排気による近隣への影響がないかといった点がとくに重要です。スリムタイプや低騒音モデルなど集合住宅向けの製品を選べば、限られたスペースでも安全かつ快適に導入できます。事前に専門業者へ相談し、建物の構造や条件に合うプランを提案してもらうことで、トラブルを避けながら省エネ効果の高い暮らしを実現できます。

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引用元:https://www.sn-eco.com/

引用元:https://www.kyutooki.com/

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